【つぶやきトリスタン】

「いつでも どこでも だれとでも」

2024年5月2日

 

5月になって清々しい季節となりました。飛び越えてもう夏?と感じる今日この頃ですが。

(因みに「さわやか」は秋、春は「清々しい」と使うようです)

 

私は昭和54年に音楽教育学科第Ⅰ類(今はこんな学科はありませんよね)を卒業し

音楽教員として長年中学生に音楽の授業をしてきました。

その間ずっと授業では「音学」でも「音が苦」でもない

文字通り音楽を楽しむ「音楽」をしようと考え続けていました。

 

「音楽」をするための一つに次の事を行いました。

「授業の初めに必ずテーマソングを歌うこと」

ドラマでもアニメでもテレビ番組には必ず始まる前にテーマ音楽が流れますよね。

それを聞くと「始まるな」とワクワクしますよね。オペラで言うと序曲です。

歌唱、鑑賞、合奏どんな授業内容でも初めに必ずオープニングテーマソング

(小山章三曲、繁下和雄詞「きょうの日を」)を歌います。

そして授業の最後にエンディングテーマソングを歌って終えるのです。

毎回の授業で歌うわけですから、生徒は3年間で100回以上歌うのです。

恐らく人生の中で一番多く歌った歌であろうと思います。

 

 このことは色々な場面でも言えると思うのです。

何かの会の始まりに(特に音楽関係の会ではなおさら)始めの言葉ではなくはじめの歌、

最後に終わりの歌で閉めるととても楽しく印象に残る会となります。

コンサート然りです。

 

千葉県同調会のサマーコンサートでは、コンサートの最後に出演者、観客、スタッフ全員で

千葉県民歌(昭和39年制定された歌詞、メロディー共に素晴らしい歌です)を歌います。

まさに会場全体が一体となります。

残念ながら今では知らない人が多くいます。

音楽人として機会あるごとに積極的に歌って、県下に広められたらと願っています。

 

みんなで歌える(知っている)歌がない時は、輪唱が効果的です。

2~3回聴けば覚えられるようなごくごく簡単な輪唱、

例えば「さよなら(岡本敏明詞、ドイツ曲)」等をその場で覚えてもらい、

斉唱で歌えるようになったら、3~4つのグループに分け、輪唱します。

何度か繰り返し歌って、合図があったら最後の音で伸ばせば、

それはそれは素晴らしいハーモニーが響き渡ります。

三三七拍子、一本締めもいいのですがやはり音楽人としては歌ですよね。

 

いつでも、どこでも、だれとでも歌える(ハモれる)子どもからお年寄りまで一緒に歌える歌を

なくしていけないとつくづく感じています。

(かいちょくん)


「ポリー二の功罪」

2024年4月4日

 

3月に入り一気に暖かくなると思いきや寒々しい日々が続きました。

ここにきてようやく暖かくなり、桜も咲き始めてようやく待ちわびた春の到来です!

桜はお彼岸に咲くよりもやはり入学式、入社式に咲くのがいいナア

と思うのは私が昭和の人間だからでしょうか。

 

先日ピアニストのマウリツィオ・ポリー二が亡くなりました。

「これ以上何をお望みですか」というキャッチフレーズの

ショパン・エチュードのレコードを聴いて、

若かりし私メは大いに感動し、初来日の時のリサイタルに行きましたが、

気分が良かったのかアンコールを5曲も弾き、終了時間が10時近くになったのを覚えております。

 

ドイツでは「天才を育てる」イタリアでは「天才が現れるのを待っている」と言われますが、

まさにその通り、ベネディッティ・ミケランジェリ以来の天才に間違いありません。

卓越したテクニックはもとより、ハンブルグで聴いたバッハの平均律ピアノ曲集の第2巻

全24曲を暗譜で一部の隙もなく完璧に演奏した演奏には、まさに驚くばかりでした。

 

しかし!今自分がトシをとり、音楽の聴き方・感動の仕方が変わりつつある現在、

彼の演奏に関しての評価を再考することとなりました。

ポリー二の出現以来、テクニック重視の流れができ、批判覚悟で言うなら、

ヴァイオリンのハイフェッツ、テノールのパヴァロッティ、フルートのゴールウェイなど

「ン?音色、技術はスゴイけど音楽はどこ?」という演奏が増えた気がします。

また日本の音楽大学入試でも某上野の難関国立音楽大学ではとにかく技術第一主義、

間違えないで完璧に演奏することが良しという価値でしたが、

ここ20年はさすがにその風潮も変わり、現在では表現も重要視されつつあります。

 

この半世紀の音楽の価値を考えてみたとき

「ワー、すごいね」という感動はすぐに冷めてしまう気がします。

月並みですが「あの美しい旋律の歌い方に感動」「あの気合と迫力に感動」

というような感情に訴える演奏、

 

聴くこと、そしてこれから自分が演奏することも含めて追い求めていきたいと思っています。

(トドのひるね)


2024年3月3日

 

皆さん、こんにちわ!ヴァイオリンのuzumasaです。

今回某副会長から打診されて初めての投稿になります。

 

音楽業界での仕事は狭く、続けるのも困難になり辞めていく方もいらっしゃいますがそれでも夢を持って前に進んでいくのが良いと私は今までの経緯を振り返ってそう感じています。

ちょこっと音楽業界の仕事を紹介しますが、我々演奏家以外にも色んな方がいらっしゃいます。

指揮者、ブライダル、キーボード、ピアノ調律師、楽器インストラクター、作曲家、コンサート・ステージスタッフ、PAエンジニアなど。

音楽業界の仕事は演奏家だけではなく音楽や楽器に携われる仕事が多岐に渡るんですよ。

凄いですね!

私自身もヴァイオリンの他に裏方としてコンサートスタッフやコンクールスタッフとして見てきましたが違った視点で見えてくるものが確かにあるんです。

音楽の世界はまだまだ深い!

 

話は変わりますが、121日にかなチェンのニューイヤーコンサートで演奏してきました。

ヨハン・シュトラウス2世の『トリッチ・トラッチ・ポルカ』『雷鳴と電光』『美しき青きドナウ』などお馴染みウィーンフィルのニューイヤーで取り上げられる名曲がズラリ、とありました。

お客さんも勿論大喝采でございました。では、この辺で。次回またお会いしましょう。

uzumasa


 

2024年2月2日

 

こんにちは、まんだら子です。理事のヒゴとも言います。

曼荼羅をアートとして見ると、その世界観にぐぐっと引き込まれます。

イスラムのモスクのドームを床から見上げる。これも大好きです。

 

それはさておき、昨年師走、ラモー作曲《レ・ボレアード》を観に行きました。

フランスバロックオペラですよ。

「北とぴあ国際音楽祭2023」のメイン演目なのです。

この音楽祭では、寺神戸亮(Vn)率いるレ・ボレアード(バロック合奏団)

(あっ、オペラと名前同じ!!)によるバロック、時々ハイドン、

モーツァルトオペラの上演がなんと今回で27回目だそうです。

毎年やっているということですね。

北区ってレベル高い!ホールもほぼ満席でした。

 

フランスオペラですからバレエの率がとても高くなっております。

今回バロックダンスがこの目で見られるということで、これはぜひ行かねばと思ったのです。

期待どおり、メヌエットをはじめとする様々なバロックダンスが踊られました。大満足です。

諸々の都合でセミステージ形式でしたが、

シンプルな作りの大道具はなんとなく能のそれに通じるものがあると感じました。

字幕も表示されるし、安心です。

歌詞に「泉」とか「大気」とか「風」とか「水の精」とかあるのは、

時代が違ってもフランスですね。

ヴェルレーヌやマラルメに受け継がれてます。

そして古楽器の音色はやっぱり最高です。

 

ロビーで近くのご婦人の「私、バロックダンスを見たくて来たのよー」の声を小耳に挟み、

「北区ってレベル高い!」と再認識した次第です。

因みに私は今回4回目。また今年行きましょ。

(まんだら子)